ハーレーのショベルヘッドにマルチグレードのエンジンオイル25W-50は使えるのか?

ショベルヘッド

ハーレーのショベルヘッド、鉄シリンダー、アルミシリンダーで分けるのであれば、旧車の域になるショベルヘッド。SAE50などのシングルグレードのオイルを使用するのが一般的ですよね。

ですが、ショベルにマルチグレードオイルが使用出来たらいいなと思い、試す事にしました。
マルチグレードとは20W-50などと粘度表記されているエンジンオイルです。
最初の20は冷間時の粘度表示です。WはウインターのWです。50は高温時の粘度表記。非常に幅広い気温に対応している事になります。

エンジンオーバーホールして、慣らしを終えてからはワコーズのタフツーリングというマルチグレードオイルを使用しています。
結果として、私のショベルとは相性が良く、とても良い結果となりましたので、その理由を紹介します。

 

なぜ旧車はシングルグレードを使用するのか?

ショベル以前の車両がシングルグレードオイルを使用している理由として、エンジンの設計がシングルグレードでの使用を想定されているという事が上げられます。
現行エンジンと比べて、エンジン内の各部クリアランスが大きく、固いオイルが適している。
また、摩耗したシリンダーに柔らかいオイルを使用するとオイル上がり等の不具合が出る可能性がある。

マルチグレードオイルを使用する前提として、エンジンオーバーホールしてあり、シリンダーやベアリング部等が過度に摩耗しておらず適切なクリアランスのエンジンに使用したほうが良いと考えます。

また、化学合成油を使用する場合は紙のガスケットを使用するとオイルが滲んできます。(実体験です)理由はオイルの分子が小さい為、ペーパーのガスケットだとにじんできてしまうようです。分子が小さいということは、その分金属の凹凸面に浸透し、保護性能が高いです。
オイルにじみぐらい気にしないって方であればよいですが、可能であればガスケット類はメタルガスケット等で対策しておくのが好ましいと思います。

私が以前まで使用していたシングルグレードオイル
スペクトロ SAE50

 

マルチグレードオイルを使用する利点

  1. 幅広い気温で使用でき、夏と冬で粘度を変えずに済む。
  2. 冬場の朝一のキック始動もシングルグレードオイルに比べるとキックが軽い
  3. 単純にオイルの性能が良い。
  4. 化学合成油が適度な値段で手に入る

それでは順番に利点を見ていきましょう!

 

1.夏と冬で粘度を変えずに済む

ハーレーのシングルグレードオイルはSAE50かSAE60を入れる事が多いと思います。

シングルグレードのSAE50使用時の外気温の目安として、10℃から50℃が適しています。
その為、SAE50では真冬の気温が適切な温度から外れてしまい、オイルが固すぎるが為にしっかり潤滑できなかったり、暖気に時間がかかったりしてしまいます。

特にSAE60では固すぎて夏場のみの使用にしたほうが良いと思います。

粘度 外気温
20W-50 -25~50℃
SAE40 5℃~45℃
SAE50 10℃~50℃
SAE60 15℃~55℃

 

2.冬場のキック始動のキックが軽い

これはキックオンリーの車両の話になりますが、真冬の朝一はキックが重いですよね。

真冬のツーリングの朝、キックオンリーのショベル。気温は3℃と凍てつく寒さ。
モコモコの厚着でキック始動するが、寒さでオイルが固くキックも重い。寒さで掛かりずらい上にキックスピードも遅いからさらにかかりずらい。厚着してるから何度もキックして汗だく・・・

こんな経験をした事はありませんか?マルチグレードオイルは気温が低い時も適切な粘度でキックの重さも軽減してくれます。

オイルの性能が良い

私はオイルの専門家ではありませんので、ベースオイルがどうだの、オイルの成分や添加剤がどういう効果があるだのという事はわかりませんし、実証できません。ググってもらえればそこらへんは詳しい記事が出てきますので、そちらを見て頂いたほうが詳しく知れるでしょう。

私がここで伝えられるのは、今まで使用したオイルと経験で感覚的な比較の話になってしまう事をご了承下さい。

まず、今まで使用していたシングルグレードSAE50の鉱物油はレブテックの黒と銀、スペクトロ、モチュールクラシックを使用していました。

それと比較して、マルチグレードの化学合成油ワコーズのタフツーリング25w-50を使用した感想です。

熱ダレが少ない、油温によって粘度変化が少ない
夏場の走行後の高温時のアイドリングでも油圧計を見るとしっかり油圧がかかっている。


長期間使用しても嫌な振動が出ない
オイルの劣化の進行具合がゆっくりに感じます。シングルグレードの鉱物油を使用していた時はオイル交換直後は振動も減って、とても調子が良いですが、2000~3000キロ走行すると振動も増えますが、今回は3000キロ、2年以上使用してしまいましたが、正直まだ使えるかな?と感じてしまうほどでした。

フリクションが少なく、エンジン自体の発熱も抑えられる良いオイルだと思います。

 

化学合成油が適度な値段で手に入る

どのオイルも値段はピンキリですが、化学合成で今回私が購入した時はAmazonで送料込みで1缶(1リッター)2200円でした。

私が使用したワコーズ タフツーリング TT-50 25W-50はこちらです。

リッターあたり2200円と、この性能でこの価格であればコストパフォーマンスは高いと言えます。

今後も色々なオイルを試した結果を比較検証していきたいですね。

 

ショベルオイル交換記録

R2.10月
走行距離13537km時に交換

 

 

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